脂漏性皮膚炎は、脂が過剰に出ることによって、ニキビ菌をはじめとした常在菌としてもともと皮膚が持っている細菌類が増殖し、炎症を起こして赤くなっている病態です。
それに伴う毛細血管拡張症は、主にTゾーンの毛穴がぶつぶつと広がって赤くなっている状態です。
治療法は、塗り薬や飲み薬、レーザーやピーリングなど、赤みや毛穴の開き具合の状態やその方の肌質によってケース・バイ・ケースです。
治療の基本になるは塗り薬で、皮膚炎によく処方されるプロトピック軟膏やステロイド、アトピー性皮膚炎などに使う炎症を抑えるような薬、でん風菌というカビの一種の菌が増えている場合はそれに適した薬を処方するなど、状態に合わせて選択します。
赤みがひどい場合は、レーザーを照射することになります。フォトフェイシャルM22/ステラM22IPL(インテンシブパルスライト)の赤い色に反応する光をマイルドに当てる場合や、Vビーム赤味除去色素レーザーで強い波長のレーザーを当てることもあります。
赤みを抑える治療には時間がかかるので、塗り薬、飲み薬、レーザーなどを組み合わせて、皮膚の変化を見ながら治療を変えていきます。
治療法がその方の状態にピタッとはまると割と早く治るのですが、発症から時間が経って炎症が長引いている方などは一筋縄ではいかないことも多くあります。ただ、治療法はあるので、お近くの皮膚科や美容皮膚科などに相談してください。
そして気をつけてほしいのは、ステロイドを長く塗っていることによる「酒さ様皮膚炎」という状態を避けることです。脂漏性皮膚炎とよく似た症状が出るので、にきびや赤みの原因が本当は何かということをきちんと診断してから治療していく必要があります。